ホーム > 診療の案内 > 糖尿病センター > 研修医の方へ
研修医の方へ
研修医の方へ
西成病院は平成21年4月1日付で日本糖尿病学会の認定教育施設となりました。研修内容は以下のようになっております。
3年間で専門医研修カリキュラムに準じ、最終的には日本糖尿病学会専門医資格取得を目指します。さらに学会や論文等に 発表する能力を育成することを目標にします。
問い合わせは、011-681-9321糖尿病センター長(渥美医師)です。
日本糖尿病学会専門医研修カリキュラム
1.時期と期間
このカリキュラムは、日本内科学会認定内科医研修の過程を終了後、西成病院において研修を行い、日本糖尿病学会専門医取得をめざすものに適用される。
2.指導責任者
西成病院 糖尿病センター長 渥美敏也 (日本糖尿病学会専門医・指導医)
3.研修の目標
日本内科学会認定内科医の研修期間中に修得した内科の基本知識・技術を再確認し、内科学、とくに糖尿病学領域の知識・技能を深める。最新の病因・病態論に基づいて血糖コントロールの管理を行う。糖尿病専門医として糖尿病患者の診断、治療にあたるのみならず、他科からのコンサルテーションに適切に応じることができる。高齢者への十分な対応をする。病診連携への対応を行う。
4.研修到達目標
日本糖尿病学会の糖尿病専門医研修カリキュラムを参考にして、糖尿病に関しての高い知識と技能を身につける。また、日常臨床の場での問題点から発展した臨床研究を積極的に企画し、実践する能力を身につける。
糖尿病専門医としての臨床的技能、知識に関しては、
- (1)
- 内科医の基本的な態度(医師患者関係、診断の思考過程)に研きをかけ、問診、診察、検査の技能を向上させる。
- (2)
- 糖尿病の診断(病型診断、病態診断)を適切におこなうことができ、診断に必要な検査を実施することができる。糖尿病の診断基準および病型分類に関する学会勧告・委員会報告(糖尿病42巻5号385頁~404頁、51巻3号281頁~283頁、53巻450頁~467頁)の内容を理解し、臨床応用できる。
- (3)
- 重症度(境界型からケトアシドーシス、昏睡に至るまで)の診断ができる。
- (4)
- 合併症の有無と進展度を評価することができ、病態に応じて適切な治療をおこなうことができる。
- (5)
- 個々の患者に適した治療目標の設定ができる。食事療法、運動療法、薬剤治療(経口血糖降下薬、インスリン、GLP-1受容体作動薬)の理論と知識を習得・実施することができ、さらにその効果を評価できる。インスリン療法は1型・2型・その他に区別して実施することができる。学会の食品交換表の利用方法の指導、運動処方の作成、インスリンの自己注射および血糖自己測定の指導ができる。
- (6)
- 糖尿病妊婦の管理を習得・実施し、その効果を評価できる。
- (7)
- 低血糖に対する正しい知識と対応を体得する。糖尿病前昏睡~昏睡患者の治療の理論と実際の知識を習得、実施しその効果が評価できる。
- (8)
- 動脈硬化性疾患についての検査(脈波伝道速度、負荷心電図、頚動脈エコー等)を実施し、脳血管障害、心疾患と足病変の発症と進展を防止する。冠動脈疾患が疑われた場合、循環器内科との共同診療を行う。
- (9)
- 診療チームの一員として他の職種のスタッフと協力しながら、医師としての責任を持って診療を遂行し後輩を指導する姿勢を身につける。カンファレンス参加を通じて正しい認識を持つ。
- (10)
- 糖尿病という生活習慣病を通じて予防医療、保健医療への認識を高める。
- (11)
- 生涯教育の重要性を認識し、糖尿病学に限らず、幅広く内科学全般についてもたえまない自己学習の習慣を身につける。
- (12)
- 個人・集団指導を体験しカリキュラムを作り実施、評価できる。
- (13)
- 当院の患者会『あけぼの友の会』の教育活動に参加し、それらの意義も理解できる。
5.週間スケジュール
曜日 | 時間 | 内容 |
---|---|---|
月曜日 | 16:30 | チャートカンファレンス |
火曜日 | 14:00 | 院長回診 |
月曜日~土曜日 | 9:30 | 病棟回診 |
木曜日 | 12:30 | CDEとのカンファレンス教育入院スタッフミーティング |
月1回 | 画像検討会 |
6.研修の内容
上記の研修到達目標について3年間の研修を行うが、一年目は病棟を中心に行い、段階的に糖尿病専門外来も担当していく。
- ◇ 1年目
- 病棟における糖尿病患者の診療をおこないつつ、外来診療をおこなう。適時指導医からの指導を受ける。
臨床研究として1回以上の症例報告をおこなう(内科学会地方会、糖尿病学会地方会) - ◇ 2年目
- 病棟において、看護スタッフ、薬剤師、栄養士、理学療法士とチームを組んで糖尿病患者の指導・教育の場面でリーダーシップをとって行動する。糖尿病教育入院の講義を担当する。後輩の医師を指導する。
糖尿病専門外来を担当する。
臨床研究として1回以上の発表を行う。 - ◇ 3年目
- 後輩の医師を指導し、糖尿病専門外来では糖尿病療養指導士と協力して、患者指導・教育のプログラムを担う中心となる。
臨床研究のデザインを組み立てて、学会に発表できるデータを収集し、それに関して臨床論文(原著)を作成する。
併設されている循環器内科とともに心血管疾患急性期の糖尿病管理を習得する(年間20例程度)。産科は併設されていないが他院産科との連携で糖尿病妊婦の糖尿病管理を研修する。
脳血管障害、全身麻酔による外科手術時における周術期の糖尿病管理に関しては当院では経験が困難と考えられるため、他研修施設とのローテートを前提とする。