睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時に呼吸が止まったり、のどの空気の流れが弱くなった状態(低呼吸)が1時間に何回も起こる状態で、それによってさまざまな日常生活に障害を引き起こす疾患です。
睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと、生活習慣病の合併症を引き起こす事が明らかになっており、特に循環器疾患・高血圧・心疾患・脳卒中・脳梗塞のリスクは高くなっております。
検 査 について生理検査室
検査法には簡易型PSGとFull PSGの2種類あります。
簡易型PSG(簡易型睡眠時多用途監視装置)
SAS(sleep apnea syndrome)の有無を調べる検査になります。ホルター心電図と、睡眠時に口と鼻に口鼻気流センサー、腹部に努力性呼吸センサー、そして指には酸素含有率センサーを装着して寝て頂きます。この検査によりSASの有無、ある程度のSAS種類分けが可能となります。右の写真が記録器となります。この記録器を腰に装着して頂き、就寝前に各種センサーを装着します。翌朝目が覚め次第取り外します。取り外した記録器は当検査室に、お持ち下さい。
※詳細につきましては担当者へお声を掛けて下さい。
Full PSG(完全型睡眠時多用途監視装置)
上記簡易型PSG検査プラス、脳波・眼球運動・筋電図等を同時記録する事で、睡眠のレベルを確定し、無呼吸・低呼吸時の身体硬直現象の検査を行ないます。SASにより深い眠りに至らず軽眠傾向になり、日常生活を著しく脅かす事が有ります。職種によっては御自分だけではなく、他人にも迷惑を掛けてしまう事が有ります。十分な睡眠時間を摂っているにもかかわらず、疲れが取れず日中に強い眠気がある方、ぜひ一度この検査を受けてみては如何でしょう?右の写真が記録器となります。従来より使用されていた記録器と異なり、大変小さくコンパクトになりましたのでそれ程違和感は無い物と思われます。検査結果は、2~3日かかる場合も御座います。
こちらの検査も原則予約制となっており、1泊2日の入院が必要となります。
当院における睡眠時無呼吸の治療
- CPAP(continuous positive airway pressre)療法
- 持続陽圧呼吸療法のことです。寝るときにマスクをつけて、そのマスクに空気の圧力をかけることで、のどの閉塞をとって呼吸できるようにします。すぐに開始することができて、副作用や合併症が少ないことから睡眠時無呼吸症候群の初期治療として広く使用されています。 欠点としてはマスク装着の不快感などがあります。当院で主に行っている治療です。1998年から保険適応が承認されてます。
- 一般生活指導
- 肥満があると、喉のなかも肥満するため閉塞しやすくなります。飲酒は無呼吸を悪化させます。睡眠薬などの一部の薬物も夜間の無呼吸を悪化させることがあります。
- その他
- 手術療法:口蓋垂軟口蓋咽頭形成術、耳鼻科で精密検査を行い適応を決めます。
- マウスピース:歯科装具(口腔スプリント)ともいいます。専門の歯科、口腔外科で作成します。
※CPAP療法と似たような治療も、当院でおこなっております。対象の病気が違います。
- ASV(adaptive servo ventilation)療法:心不全が対象です。使用する装置はサーボ圧自動制御型人工呼吸器となります。2007年から保険適用が認可されております。(チェーン・ストークス呼吸を合併した慢性の心不全にたいして、2004年に在宅酸素療法(HOT)の保険適応が認可されております。)
- NPPV(Noninvasive Positive Pressure Ventilation)療法:非侵襲的陽圧換気療法のことです。慢性呼吸不全患者さんのなかで慢性的に炭酸ガスの蓄積を伴うⅡ型呼吸不全の方などが対象となります。マスクを用いた人工呼吸療法です。1998年に在宅での保険適用が認可されております。